脈をとる医師

息子の将来のためにも、奨学金は借りたくない

開業医だからといって稼げるとは限らない

医師の働き方は勤務医・開業医と色々ありますが、やはり開業医のほうが収入が得られると聞きました。
ですが、それは患者さんがたくさん来院されて、かつ医師の腕が高ければの話です。

経営者としてのスキルもなければ、収入を得られるどころか借金を負う可能性もあります。
もし息子が開業医をやりたいと思うときがくれば、本当にやりたいのかきちんと聞きますが、私としては開業医の道はハイリスクハイリターンだと思っています。

開業医になる=責任や負担は増える

患者さんを集めるにしても、その方たちに診察所そのものを認知してもらう必要があります。
勤務医としての経験・キャリアがあっても、どのような医師として働いていたのか、患者さん自身はまったく知りません。
年収1億円を得ている医師によると、広告では積極的に自分の顔を出して、多くの雑誌取材にも応じているそうです。

来院された患者さんに対してはリピーターになってくれるよう、丁寧に診察・治療を施します。これは勤務医・開業医どちらも当たり前の行為ですね。
親切・丁寧に治療してくださる医師であれば、口コミは自然と広がり、患者さんが次第に増えてくるでしょう。

開業医のやるべきことや責任は、患者さん集めだけではありません。
開業医自らが院長となり、患者さんを治療するので、代診できる人が基本的にいない状態です。
そのため、体調不良や学会に参加するなどの場合は、やむなく診察所そのものを閉める可能性も出てきます。

来院された患者さんすべてを診療時間内にきちんと診断できるかも重要です。集患や増患の対策を自身で行わなければなりません。
従業員を雇う場合は、人材確保やトラブル対応といった労務管理も対応します。
患者さんを診るのはもちろん、開業医自らが行うべきこともたくさんあるため、それらすべてに対応できるスキルが必要です。

できるだけ負担がかからないように働くには

息子がどのような道を選択するか分かりませんが、勤務医・開業医どちらの道を歩むにしても、負担を増やしたくはありません。
医学部の学費は高額なので奨学金を利用する人もいると思いますが、本人が医師として働きながらお金を返していくのは相当な覚悟が必要です。

開業医として働き、それが上手く軌道に乗れば、奨学金もきちんと返せると思いますが、もし、軌道にのらなかったり年収が少なかったりすると、生活に苦労するでしょう。
医学部の学費をすべて息子が背負うのは大変なので、親としていくらかの金額はもちろん出す予定です。
奨学金を背負わせたくないと思う反面、それに頼らず大学を続けられるかどうかも難しいのでは…?と悩むところです。